滝川銀座商店街

Vol.4

滝川銀座商店街

滝川市本町1丁目

◎ヒビサビ度=弐銀

◎銀ブラ推奨度=弐銀

待ちに待ったゴールデンウィークだ。連休だ。
旅行に行こう。遊びに行こう。
温泉もいいネ!遊園地もいいネ!
さあ、でかけよう!
ママ、お弁当持った?
パパ、ズラかぶった?
ヤッホー。 ヤッホー。

と、世間が浮かれまくっている2010年の黄金週間の最中、オイラが目指したのは、北海道のほぼ中央「滝川市」を縦横に貫く滝川銀座通り。

かー、地味。かー、陰気。 かー、野暮ったい。いくら趣味とはいえ、いくら好きでやってるからとはいえ、さすがに自分自身の嗜好の偏りに、若干めまいを覚えたよ。

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で、札幌からクルマを飛ばすこと一時間。はいはい、着きました、滝川銀座通り。フロントガラス越しに見上げた空は、もの悲しいほどの快晴。

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「バカヤロ...」

自分の性をふたたび呪いながらも、クルマから降り、シャッターを切り始めた。

「うむむむむ。ここもヒビサビ具合が結構進んでるわ。シャッターも閉まりまくってるし。は?通称フラワータウン......って、いったいどの辺がフラワーじゃ!」

などと独りごちていたら、突然

「あんたなにやってんの?」

と声をかけられた。
振り返ると、洋装店の店主らしき御仁。あきらかに目が怪しんでいる。

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このおじさまに、声をかけられたのだ。


あの、その、銀座の、通りを、こう、歩いたり、歩かなかったり、わびさびの、いや、ひびさびの、佇まいに、グッとくるというか...
あああああ。うまく説明できない。この偏屈な、奇矯な、マニアな行いを、このおじさんにうまく伝えられない。したたる汗、まわらない口。ああもう、怪しさがローリングストーン状態だよ。

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ま、それでも銀座通りを尋ね歩いてる的なことをしどろもどろに話すと

「ああ、昔はね、銀座もね、よかったもね。今はね、全国の銀座通りもね、ぱっとしないもね。うちも、だめさ。ぱっとしないもね。ま、あんたもね、がんばんなさいね」

と、なんだかよく分からない言葉を返された。

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ふたたび通りへ。目立ったお店、心ふるわす情景はないわな〜、と思っていたら目前に高林デパートなる建物が、突然、現れた!(気がした)。

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おおおおお、いいね。デパート。デパート。デパート。
最近口にすることもなくなったよ、デパート。胸躍らせ中に入ると思い通り、昭和の佇まい、昭和の香り。エスカレーターの赤い手すりとか、食堂のショーケースとか、うんうん、これはこれでグッと来ちゃう。

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さらにエスカレーターで誘われた地下フロアには、場外馬券売り場が!

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かー、大正解。かー、ストライク。全く持って、ど真ん中。
やっぱ、こういうデパートの地下にはジャンパーを引っかけたオッサンたちが、タバコをくゆらせながら百円馬券を握りしめる馬券売り場があってしかるべき、なんだよな。売り場の反対側、フロアの端の方には立ち食い系のそば屋。ひょいと覗いてみると、いたよ、いたいた、競馬新聞を見ながら、ワンカップをすすってるオッサンが...

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写真を撮ったときにはオッサンすでに退却。ああ、無情。


ああ、もう、おっさん!アンタは、百点満点!酒呑みの金字塔だよ!!

走り寄って抱きしめたくなる気持ちをグッとこらえてしばらくそのしょぼくて、セコくて、なんだかもの悲しくて、でもこの上なく魅力的な場面を、飽きるほど見続けた...のでございます。

酔狂だけどさ、やっぱ好きなんだな、銀座通り巡りが。

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